今年の夏にイギリス・オックスフォードでEU最大級の蔵書数を誇るBlackwell’s Book Storeを訪れた時のことです。
間口はそれほど広くないので、店内にそんなにも多くの本があるとは想像できないほどです。前回オックスフォードを訪れた時は見落としてしまい、入りそびれてしまったのですが、今回はBlackwell’s書店のことを予備知識として持っていたので、迷わず入ってみました。
私の一番の関心事であるEducation(教育)のコーナーに向ったところ、幼児教育や教育心理など多数の本が並んでいましたが、その中で私の目に留まったのは受験対策本でした。
GCSE、Aレベル、Oxbridgeに分類され書棚に並べてありました。
日本の洋書を扱っている大型書店でGCSEやAレベルやIBの本を何冊か目にしたことはありますが、Oxbridgeのコーナーがあるのは、やはり本場イギリスならでは、と思いました。
日本に住んでいるとイギリスの大学のオープンデイに参加することは日程的にも経済的にも負担がかかるので、イギリスの大学の情報はイギリス留学フェアやインターネットを通じて収集するのが一般的ではないでしょうか。情報の取捨選択が大切になりますが、何らかの客観的な指標があると、判断しやすいですよね。
Oxbridgeの棚で、ひときわよく目立つ位置に表紙が見えるように配列されていた本が、
“So You Want to Go to Oxbridge?: Tell Me About a Banana.”
この本は1999年以来60000人のオックスフォード大学・ケンブリッジ大学の出願者をサポートしてきたOxbridge Applicationsが1700人の卒業生やかつて入学審査にあたったことのある教師等の協力を得て作成したもので、2005年に初版が発行され、以来版を重ねています。執筆と編集はオックスフォード大学・ケンブリッジ大学の卒業生が行っています。
この本には専門の選び方やカレッジの選び方、パーソナルステイトメント(志望動機書)の書き方、オックスブリッジの出願の過程、入学テスト、面接、オックスブリッジ卒業生の卒業後の進路などの項目について記載されています。留学生対象の項目もあります。
この本で特筆すべき点としては、カレッジの特徴を端的ないくつかの形容詞で表現されていることです。また、そのカレッジに向くタイプ、向かないタイプについても明瞭に記述されています。
例えば、第5版によると、
オックスフォード大学のSt.John’s Collegeは
といったように…。
面白かったのはオックスフォード大学のMagdalen Collegeのところで、
と記載されているところです。
他のカレッジの学生も羨むほどの人気のカレッジなんですね。思わずクスッと微笑んでしまいます。
このような感じでオックスブリッジのそれぞれのカレッジについて、その特徴が何となくイメージできます。
とはいえ、どの学生がどのカレッジに相応しいと言うべきものではなく、様々なバックグラウンドを持った学生が共同生活をすることによって、お互いに影響し合いながら育まれる環境もあることでしょう。また、年によっても入学する学生のコミュニティーは変化しますので、参考程度に留めておいた方が無難かもしれません。実際、9割の学生は自分のカレッジに満足しているという調査結果も出ているようです。
大切なのは環境に適応していくことではないでしょうか。
ちなみに、SO YOU WANT TO GO TO OXBRIDGEの本ですが、12月には第6版が出ています。
オックスフォード大学やケンブリッジ大学への出願を検討されている方はぜひ一度ご覧ください!