文豪チャールズ・ディケンズの不朽の名作『クリスマス・キャロル』🎄

今日はクリスマスですね。🎄 

イギリスではクリスマスの日は家族が集まって家で静かに過ごすのが一般的だそうです。そのためクリスマスには運行を中止する交通機関もあるようですが、国が変わればクリスマス事情も随分違うものですね。

クリスマスの季節になると決まって思い起こされるのが、チャールズ・ディケンズの不朽の名作『クリスマス・キャロル』です。この作品は映画化され、日本では2009年11月に全国公開されました。DVDにもなっていることですし、ご覧になられた方も多いかもしれませんね。コンピューターグラフィックスではなく、実際に演技している俳優の動きや表情をデジタル的に取り込みアニメーションで精彩に表現した映像ということですが、映画館では3D眼鏡をかけて観たので迫力、臨場感に溢れていました。


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一見すると子供向けの作品のように思われるかもしれませんが、大人にとっても人の優しさに触れられ、心温まる感動の物語です。

チャールズ・ディケンズ『クリスマス・キャロル』の読書案内

息子が中学1年生の時に書いた「読書ブログ」の一節を本人の了解を得て掲載することで本の内容のご紹介とさせていただきますね。

ディケンズ『クリスマス・カロル』

クリスマス・カロル(新潮文庫)
著者/訳者:ディケンズ
出版社:新潮社(1952-11)
文庫(151ページ)

読書ブログ2009.11.28

『クリスマス・カロル』はロンドンを背景として創られた、クリスマスの季節を代表するディケンズの名作です。日本に暮らす私たちも、この原作をもとにして訳された数々の本を通して『クリスマス・カロル』の感動を味わうことができます。

物語はロンドンの一角に住む老人“スクルージ”から始まります。彼は大変けちで貪欲な心を持ち、訳書曰く「硬く、鋭いことは火打ち石のごとく」「秘密を好み、交際を嫌い、かきの殻のように孤独な老人」でした。彼はほんの少しの温かさも持たず、彼の行くところはどこにでもこの冷たさがつきまといましたが、これも彼の心ほどは冷たくなく、その冷たさとめげない厳しさや頑固さには、どんなに険悪な天候もかないませんでした。

こうしたわけで、彼の仕事仲間マーレイが亡くなってから7年後のクリスマスの前夜にも、スクルージはマーレイの死を悲しむこともなく、クリスマスを祝福することもなく、仕事を済ませて家に向かっていました。彼はクリスマスをばかばかしいものと思っていました。金持ちのくせにけちなスクルージは一銭(本当はシリング)の金だって恵んだことはなく、クリスマスを祝うために僅かの時間をかけることをも拒んだのです。

しかしそんな彼の目の前に死んだマーレイの幽霊が現れたのです。頬被りを顎にかぶり、腰に長い鎖をつけてマーレイの幽霊。それが現れたときはスクルージもさすがに恐れおののきました。

マーレイの予言に従い、翌日からスクルージは三人の幽霊と対面します。それはスクルージが生きてきた過去、現在、そして未来のクリスマスの幽霊でした。そのなかでスクルージは忘れていた昔の自分が味わったクリスマスを振り返り、貧しく生活が苦しくとも心温かくクリスマスが来るのを祝う優しい人々を知り、クリスマスを祝う喜びや、貧しい人への共感の気持ちを持つようになり、自分の生き方を反省するようになったのでした。

最後の幽霊との旅で、スクルージは自分の将来の姿を見せつけられます。誰からも見捨てられ、その死を悲しむ人もいず、一人孤独に墓場に眠る自分の姿を。

彼は誓いました。すっかりと心を入れ替え、善良な生活を送ることで自分の生き方を変えることを決心したスクルージは、自分の運命を入れ替えてもらいたいあまり、クリスマスの霊に祈りをささげ、過去・現在・未来の教えの中に生きることを誓ったのでした。警告された自分の未来の影を、自らの努力と慈悲により変えようと決心したのでした。

教えを受けたスクルージは生まれ変わりました。三人の幽霊に励まされ、彼はやさしさを知り、徳のある人に生まれ変わったのです。彼はもはやクリスマスを軽蔑することもなく、クリスマスを心から尊ぶようになったのです。世界は新鮮な輝きに満ちており、これほどの素晴らしさは味わったことがないように感じられました。彼は生きる喜び、人と心を通わせる喜びを知ったのです。

彼は善き主人となり、善き人間となり、人々のために尽くしました。善いことを行う大切さを知ったからです。貧しいながらも真心を持った心優しい人々の生活を知ったからです。親切な気持ちと情深い心。このクリスマスの精神をスクルージは片時も忘れることはありませんでした。

あるクリスマスの日、尊い教えからこころを入れ替えた老人の話。それは愛情と善意の物語でもありました。涙と怒り、喜びと希望。光と影により築かれた物語を、この恵みある時節にぜひ深く味わってください。

13歳の瑞々しい感性で綴った読書記録ですが、読み返す度に未だに感動を覚えます。

クリスマスの季節におすすめの本と映画、ディケンズの『クリスマス・キャロル』のご紹介でした。

Best wishes for a Merry Christmas🎄
& a Happy New Year


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A Christmas Carol (Wisehouse Classics – with original illustrations)


クリスマス・キャロル (新潮文庫)