(http://www.ox.ac.uk/news/2017-09-05-oxford-university-claims-top-world-ranking-second-year)
英国教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)は9月5日に今年の「世界大学ランキング」を発表しました。世界の研究大学を教育・研究・知の継承・国際性という大学の核となるミッションを果たしているか審査するため13の指標をもとに各大学のスコアを算出し上位1000位までランキングを発表しています。その結果総合1位を獲得したのはオックスフォード大学。昨年英国の大学として初めて世界トップの座について以来、2年連続となりました。総合2位はケンブリッジ大学で、トップ2校を英国の大学が独占したのも世界大学ランキング史上初めてのことです。
今年の世界大学ランキング上位校は以下の通り。(カッコ内は昨年の順位)
〈THE世界大学ランキング2018 ベスト10〉
1(1) オックスフォード大学(英国)
2(4) ケンブリッジ大学(英国)
3(2) カリフォルニア工科大学(米国)
3(3) スタンフォード大学(米国)
5(5) マサチューセッツ工科大学(米国)
6(6) ハーバード大学(米国)
7(7) プリンストン大学(米国)
8(8) インペリアル・カレッジ・ロンドン(英国)
9(10) シカゴ大学(米国)
10(9) スイス連邦工科大学 チューリッヒ校(スイス)
10(13) ペンシルベニア大学(米国) 46(39) 東京大学
この結果を受けて公表されたオックスフォード大学のニュース記事を訳してみました。
以下、囲み枠部分 拙訳
オックスフォード大学が前年に引き続き1位だったことについて、オックスフォード大学総長ルイーズ・リチャードソン教授は次のように語っています。
オックスフォード大学のランキング1位は現在の研究と教育のオールラウンドな強みを反映しています。英語圏の中で最古の大学と誉れ高いオックスフォード大学ですが、医学・科学と工学・人文学・社会科学を含むあらゆる学問分野を牽引しています。知の継承と新しい技術の開発が主要な優先課題の1つです。
オックスフォード大学のカレッジ制度がその成功の真髄にあり、学生と研究者はより大きな国際的にも名高い大学と親密で学際的な学術コミュニティ(※カレッジ)の両方に所属するという利点を享受できます。
ケンブリッジ大学が昨年4位から2位に順位を上げ、過去13年の同世界大学ランキング史上初めて、英国がトップ2校に入りました。
フィル・バティ編集長は、「データから見ると英国の大学は一貫してイノベーションを牽引している画期的な新しい研究を生み出しており、留学生や優秀な学者を惹きつけ、ワールドクラスの教育環境を提供している。英国の大学は国の非常に貴重な財産であり、大学の世界規模での序列が厳密に調査されている時代に弱体化させることはできない。」と語っています。
原文は Oxford University claims top world ranking for second yearよりご覧いただけます。
オックスフォード大学のカレッジ制度が成功の要ということですが、オックスフォード大学もケンブリッジ大学も伝統的にカレッジ制度を採用しています。分野を横断する研究のインスピレーションは学際的なカレッジで得られやすいのでしょう。
オックスフォード大学のカレッジ制度については、オックスフォード大学の苅谷剛彦教授のご著書「グローバル化時代の大学論2 – イギリスの大学・ニッポンの大学 – カレッジ、チュートリアル、エリート教育 (中公新書ラクレ)」に詳しいので、よろしければぜひご一読ください。
また、講談社 現代ビジネスの『オックスブリッジの流儀Ⅰ:世界最高の知のシェアハウス「カレッジ制度」』もご参考にどうぞ。こちらもお薦めです。