日本の英語教育が変わる!ケンブリッジ大学出版から文科省検定教科書『Cambridge Experience1』発刊

(出所:https://cambridge-university-press.jp/cambridge_club/cambridge-experience-1)   

『Cambridge Experience 1』- 英語コミュニケーションI 検定教科書

ケンブリッジ大学出版(Cambridge University Press)は2022年度から実施される新高等学校学習指導要領に準拠した高校英語(コミュニケーション)の検定教科書『Cambridge Experience 1』を刊行するそうです。

ケンブリッジ大学出版の公式サイト上の説明によれば

新学習指導要領に合わせて何度も検討と編集を重ねつつ、ケンブリッジの長年の言語研究の知見を盛り込むことで完成しました。

・4技能5領域をバランスよく配置、図表の読み方や批判的思考力も強化

・ライフスキルなどを伸ばす活動、CLILやプロジェクトワーク、リサーチなど多彩なアクティビティ

・大学入試や各種英語外部試験に対応できるよう、リスニングやリーディングなどの各スキルのストラテジーを収録

世界中から集めた題材で知的好奇心を育み、明確かつ生徒が夢中になれる言語活動を通して学びをサポートします。

とあります。

イギリス英語の検定教科書が刊行されるということに時代の変遷を感じます。 日本の公教育でイギリス英語を学べる教育環境の構築という意味において画期的な出来事だと思います。

私の育った時代はミッション系など一部の例外はあるかもしれませんが、中学、高校とアメリカ英語を習いました。学校の教科書はアメリカ英語で書かれ、文法も綴りもアメリカ英語で学びました。イギリス英語の教材を目にすることもなく、アメリカ英語に特徴的に見られるwaterのtなどネイティブっぽく聞こえるように自分で真似をしていた記憶があります。

イギリス英語に初めて触れたのは確か高校1年生の時のホームルームでビートルズのYesterdayとHey Judeを歌った時のことだったと思います。それから俄然ビートルズが好きになり、ビートルズベストのカセットテープを買ってきて、何度何度も繰り返し聴きました。歌詞が聴き取れないところは歌詞カードを見ながら何度も聴いては口ずさんだものでした。田舎の一軒家の二階で誰にも気兼ねなく声に出せたのは幸いでした。

大学の必須科目の英語授業でイギリス人の先生やイギリス留学の経験のある先生からイギリスの小説や詩を学び、ゼミではアメリカ人教師の発音講座を履修するなど、直接イギリス英語とアメリカ英語に触れる機会を得ました。大学時代にイギリス英語とアメリカ英語のどちらにも対面で触れる機会があったのは恵まれていた環境だったと思います。

英語との出逢いは時に偶然であったり、意識的であったりしますが、学校教育でケンブリッジ大学出版の教科書で英語を学ぶ人は今後増えていくのではないでしょうか。 ブリティッシュ・カウンシルやケンブリッジ大学出版、オックスフォード大学出版などを通じての長年にわたる英語の普及活動が奏功したと言えるでしょう。

公教育においてもイギリス英語の教材を使用して学べる時代の到来。ベトナムやタイ、韓国などのアジアの諸外国と比べても英語教育が劣後している日本の英語教育が変わるきっかけとなるような気がしています。 

ケンブリッジ大学出版の教科書で正統派のイギリス英語を学ぶことで、「日本人の英語下手」の汚名を返上し、臆することなく英語でコミュニケーションの取れる人材が輩出されることを願っています。

  
〈参照〉

https://cambridge-university-press.jp/cambridge_club/cambridge-experience-1/
Cambridge University Press、初の高等学校向け検定教科書『Cambridge Experience 1』を出版https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000046620.html