昨年11月に発売された『オックスフォード&ケンブリッジ大学 世界一「考えさせられる」入試問題』は日本の教育を考える上でも、真の学力とは何かを考えるきっかけになる本です。この本は過去ログ「オックスフォード大学の入試で問われる知識より創造力や思考力」で取り上げた2011年に発売された書籍「あなたは自分を利口だと思いますか」の文庫版です。文庫本なのでかなりお求めやすい価格となりましたので、再度ご紹介させていただきます。
オックスフォード大学・ケンブリッジ大学への進学を検討されている方には、是非ともご覧になっていただきたい本です。この本をちらりと見るだけでも、日本の従来の学校教育では培えない、付け焼刃の効かない問題であることは火を見るよりも明らかです。正解のない問題にどう答えるか、受験生のそれまで生きてきたすべての知識や経験、教養、思考力、洞察力を駆使して問題に挑まなければなりません。答えがある問題はある意味簡単です。数多くの問題をこなし、問題に必要とされる知識を習得し、問題のパターンを記憶すればある程度高得点が望めます。記憶力や処理能力が高い人ほど有利になります。日本の学校教育では従来、問題に対して正解が一つに決まっているものに対しては、実力を発揮することができる能力を養成する教育が中心でした。その場合、記憶力の良い生徒ほど成績が良い傾向があります。
マークシート方式や一問一答式の問題の対極にあるのが、オックスフォード大学・ケンブリッジ大学の入試問題と言えるでしょう。この本を読むといかに自分が無知であるかを否が応でも自覚することになります。長時間眺めていても全く埒が明かず、何も答えることなく永遠に時が過ぎてしまいそうな感覚を覚えます。💦
著者の解答例が載っていますが、これが唯一の正解というわけではなく、幾通りもの解答があるというのが要です。
「正解がない問題にどう臨むか」という思考のトレーニングは始めるのに早すぎるということはなく、子育てや子供の教育においても、常に念頭に置いておく必要があります。
百聞は一見に如かず。我が子に真の学力をつけさせたいと思われる親御さんは、是非一度ご覧になってくださいね。
教育に携わる方にもぜひご覧になっていただきたい本です。この本を見るのと見ないのでは、学力に対する考え方がコペルニクス的に転回するかもしれません。
世界中から優秀な学生を集めるオックスブリッジの入試の一端に触れられる良書です。日本の受験勉強とは次元の異なる問題のオンパレードに驚きと衝撃を感じないではいられません。興味本位で構わないので、是非一度お手に取ってご覧くださいね♡
【追記】
続編も文庫版が出たようですので、よろしければ併せてご覧ください♪