ラファウ・ブレハッチのピアノリサイタル 2017年10月日本公演 & バッハCD 推薦盤

今回の来日はほぼ4年ぶりということで、ラファウ・ブレハッチの久々の来日に心を躍らせてコンサート会場まで足を運びました。

ブレハッチは2005年に第15回ショパン国際ピアノコンクールに優勝、マズルカ賞、ポロネーズ賞、コンチェルト賞、ソナタ賞、オーディエンス賞全てを同時受賞し、現在までにドイツ・グラモフォンより6枚のCDがリリースされています。2005年ショパンコンクールで優勝した時の感動的な演奏をDVDで見て以来、しばらくは熱狂的なファン状態。一時はファンクラブに入ろうかとまで思うほどの過熱ぶりで、家族から年甲斐もなく、と半ば呆れられたほどでした。

ブレハッチはショパンの故郷、ポーランド生まれ。5歳からピアノを習い始め、ビドゴシチ市のルービンシュタイン音楽学校を経て、ナワヴェジスキ音楽大学を2007年に卒業。数々の受賞歴がありますが、2003年の第5回浜松国際ピアノコンクールで1位なしの第2位を受賞しています。現在音楽と並行して哲学を勉強されているそうです。

2005年にショパンコンクールで優勝した後の凱旋公演は聴きそびれてしまいましたが、その後はブレハッチが来日する度にコンサート会場に足を運んでいます。

今回のプログラムは

J.S.バッハ:4つのデュエット
ベートーヴェン:ロンド  ト長調  Op.51-2
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ  第3番  ハ長調  Op.2-3
ショパン:幻想曲  ヘ短調  Op.49
ショパン:夜想曲  第14番  嬰ヘ短調  Op.48-2
ショパン:ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調「葬送」Op.35

でした。

生演奏を聴ける喜びに浸りながら、ピアノの調べを堪能しました。並々ならぬ練習のなせる技でしょうけれど、ブレハッチの演奏には心の赴くままに音楽の世界に身を委ねていいという安心感があります。

演奏後には長蛇の列に加わり、ブレハッチのサインももらいました。

サインをもらうのは今回が2回め。近くでブレハッチを拝めただけでも、並んだ甲斐があったというものです。

ショパン弾きとして名を馳せたブレハッチは、幼いころから教会音楽を耳にし、5歳か6歳の頃オルガン曲に魅了され、当初はオルガン弾きになろうと思っていたそうです。2005年のショパンコンクールのあと、ドイツ・グラモフォンでの最初の録音をバッハにしたいと考えていたそうですが、ショパン・コンクールで優勝したので、ショパンの「24のプレリュード」にしたそうです。2017年2月に念願叶って初めてのバッハの録音のリリースとなったとプログラムにありました。今回の曲目にもあったバッハの「4つのデュエット」も収録されています。

神聖なバッハの音楽を聴いていると心が清らかになるような気がしてきます。耳に優しく心が落ち着き、私たちを静謐な世界へといざなってくれます。

コンサートに行った記念にと会場で購入したバッハのリサイタルCDは、教会のオルガニストだったブレハッチのレガートの技法が美しく、購入してよかったと心から思いました。今まで聴いていたバッハの音楽をより一層美しく響かせてくれます。軽快なタッチや生き生きとした躍動感に溢れる箇所など、自分の心まで躍るようです。

私は音楽が専門ではないので、詳しい専門的なことを表現することはできないのですが、このCDはバッハのパルティータやイタリア協奏曲の演奏の中では秀逸で、聴くたびに感動を覚えます。絶妙なタッチのレガートと躍動感に思わず魅了されずにはいられません。

プログラムに記載された2017年6月の電話インタビューでブレハッチ自身が、

ピアノでバッハを演奏するとき、大切にしているのはあのオルガンの音の記憶です。それを、私の手がピアノ奏法に置き換えます。つまり、根底にあるのはバッハのオルガンサウンドなのです。
オルガン曲とピアノ曲の間には、いくつか特殊なつながりがあります。特にバッハについて言えば、私はピアノで弾く時にもオルガン式のレガートを用います。私はオルガンの基礎があるおかげで、純粋なピアノ奏法とは少し違うレガートを使いこなすことができます。 

と話しています。

オルガニストとしての演奏経験がバッハの曲により一層繊細かつ趣きのある音色を響かせてくれているようです。

このCDとの出会いに感謝♡
しばらくマイブームが続きそうです。

お子様の情操教育にもお薦めの1枚です。
ぜひ一度お聴きになってみてくださいね♫

    
      
  2005年のショパン・コンクールの感動的な演奏を収録
  特にショパンのピアノ協奏曲第1番は心に残る名演奏!感動の嵐👏