先日オックスフォード大学出版局のOxford Day 2016 : Forum on English Educationの講演会を聴きに行きました。ちなみにオックスフォード大学出版局はオックスフォード大学の一部門です。
4年めの開催となった今回は「日本の英語教育における課題とその解決法を探る」というテーマで、国内外から専門家や著者が訪れ、さまざまな視点から英語教育について考察されていました。
オックスフォード大学 教育学部のVictoria Murphy教授のイマ―ジョン教育の講演に特に関心があったのですが、その他にも東京インターナショナルスクール理事長である坪谷・ニュウエル・郁子氏の「国際バカロレアとグローバル教育」の講演も楽しみにしていました。Murphy教授がCLIL(Content and Language Integrated Learning 「内容言語統合型学習」)よりもイマージョンの方が成功しているとおっしゃったことが、少し気になりました。日本の英語教育界で上智大学を中心に進められているのがCLILだからです。イマージョン教育を成功させるためには教師の力量が重要とのお話もあり、優れた教師の確保が必要不可欠だと感じました。
Murphy教授のご著書がいくつか出ているようですので、購入して読んでみたいと思います。
「世界で生きるチカラ—国際バカロレアが子どもたちを強くする」というご著書もある坪谷氏ですが、日本の大学でも次々と国際バカロレアを受け入れる大学が増えてきているというお話で、今後の展開を含めた最新情報をお聴きすることができました。「日本の未来は子どもたちの教育にかかっている。経済格差に関係なくすべての子どもに教育機会が与えられること。5年以内に教育投資が倍増していること。」を目標に、「ニッポン教育応援団」を創設されたそうです。坪谷氏の信念と気迫のこもったスピーチに感銘を受けました。私も微力ながら、何らかの形で日本の未来を創る教育活動を支援できればと思います。
講演会場が分かれて同時並行で講演があった時間帯があり、すべての講演を聴けなかったのはとても残念なのですが、講演会終了後にスライドの資料も配布していただいたため、講演会の内容を振り返ることもでき、実りのある一日となりました。いただいたプレゼンテーションの配布資料の中で、滋賀県大津市の小学校の英語教育活動が目に留まりました。大津市の英語教育のカリキュラムはオックスフォード大学出版局がサポートしているようです。日本の小学校の英語教育のモデル校となるといいですね。
講演会後の懇親会にも参加させていただいたのですが、英語教育に関わっていらっしゃる方ばかりなので、共通言語が英語だったことに少々驚きました。日本人同士でも英語で会話するんですね。フィリピン人や中国人、インド人の英語教師の方など、日本でも欧米系以外の外国人英語教師が増えていることを実感しました。