「新型コロナ水際対策 出国前の検査証明厳格化 2人送還」というニュースは海外在住の日本人に衝撃をもって受け止められています。日本政府は新型コロナ感染の水際対策を強化するため、3月19日以降、海外から入国するすべての人に対し、出国前の72時間以内の検査証明書の提出を義務化しました。検査証明書を提出できない人は検疫法に基づき、日本国籍であっても日本への上陸が認められないこととなりました。4月19日以降は検査証明の確認が一層厳格化され、書類や検査方法などに不備がある場合、原則として入国を拒否しているとのことです。
専門家でもない一般人にとって検査の分類など難解であり、しかも外国語で記載してあれば、もしかすると本人は検査結果で陰性と記入してあれば大丈夫だと思い込んだのかもしれません。あるいは、4月19日から運用が厳格化されたことを出発地の航空会社スタッフや本人が搭乗時には知らなかった可能性もあります。
詳細は分かりかねますが、当事者は航空機に搭乗できたのにまさか日本で入国拒否に遭うとは思いも寄らなかったのでしょう。外国籍ではなく日本国籍の2人が入国拒否された事例が今後の海外渡航に及ぼす影響は甚大であると言わざるを得ません。
あと1、2ヶ月もすれば、欧米の大学の多くは学年末を迎えます。6月〜8月かけて海外留学を終えた日本人が帰国する時期と重なります。「コロナ禍で航空機が予定通り飛ばずキャンセルとなり、数回の変更後やっと飛行機に乗れた」などというケースをコロナ禍の中何度か目にしました。搭乗予定時刻72時間以内に検査したけれども、航空機がキャンセルになり、再度検査しなければならないとか、搭乗時刻が数時間遅れたために、書類の不備とみなされるようなケースも想定されます。
書類の不備のために日本に入国できないとなれば、本帰国のために住居の契約を満了し荷物を引き上げてきた人は、一体どこに帰ればよいのでしょうか?再検査のための費用隔離施設あるいはホテル滞在費を自己負担する、または一律に規定の料金を支払うことで入国を認めることはできないものでしょうか。
また、慣れない外国で検査機関を探すのも大変だと思います。各国の日本大使館もまだ情報収集中といった印象です。日本政府認定の検査証明を出してくれる検査機関一覧(国別)が開示してあれば、海外在住者にとって利便性が高いでしょう。
英国在住者の場合は、日本政府が認める検査を実施している機関としてCOLLINSONがあるとの情報があります。
これから日本に帰国予定の方は書類不備がないよう入念にチェックすることをお勧めします。検査機関を信用して任せきりになるのではなく、自分でも記入漏れがないか目を通すなどして、リスクを回避するよう心がけてください。
〈参考〉
【厚生労働省】
●検査証明書の提示について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00248.html
●COVID-19 に関する検査証明 Certificate of Testing for COVID-19(例)
https://www.mhlw.go.jp/content/000769988.pdf
【在英国日本国大使館】
●本邦に帰国・入国するために必要となる新型コロナウイルス検査証明書について(検査機関のご案内)
https://www.uk.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00291.html
(https://www.collinsongroup.com/en/covid-19-testing)
Approved for UK Government’s Mandatory Testing Packages & ‘Test to Release’ for inbound travel. Also providing tests that satisfy all needs for outbound travel.
現在、検査機関Collinson社が実施する日本向けLAMP検査は入国に問題がないとのことで、在英国日本国大使館はCOLLINSON社を推奨しています。
【追記】2021.5.6
在英国日本国大使館ウェブサイトにてCOLLINSON社以外にも下記の2つの検査機関が日本政府の指定フォームで検査証明可能な機関として紹介されています。
以下、検査機関を転記しています。
1.Private Harley Street Clinic Limited(メリルボーンのみ、カナリーワーフは一時閉鎖中)
https://privateharleystreetclinic.com/products/covid-19-test
2.Medinow(ピムリコ、アクトン、ウィンブルドン2箇所)
https://medinow.co.uk/fit-to-fly-1
(ご参考/前回ご案内済みの再掲)
3.Collinson(ロンドン主要空港、マンチェスター空港、O2アリーナ)
https://www.collinsongroup.com/en/covid-19-testing
【追記】 2021.7.28
ヒースロー空港における検査機関Collinson社の業務終了
ヒースロー空港内で営業中の検査機関Collinson社は、7月29日(木)をもって同空港内での営業を終了予定とのことです。ヒースロー空港ではExpress Test社(https://www.expresstest.co.uk/)が既に営業を開始しており、7月30日(金)以降は同空港における唯一の検査機関となるそうです。
Express Test社はLAMP検査の導入を予定しているものの、その時期は未定とのことです。
詳細はこちら↓
https://www.uk.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00416.html