オックスフォード大学の面接 忘れられないエピソード & 面接時の心得

10月15日が締め切りのオックスフォード大学の出願を終えた受験生は、専攻によっても多少異なりますが、筆記試験や面接の準備に本格的に取り組もうとされている時期でしょうか。書類選考を通過すると面接に呼ばれます。

面接に呼ばれるかどうかは面接予定日の1週間くらい前にしかわからないので、前もって航空券とホテルを手配した記憶があります。今年は12月1日から12月20日が面接の実施期間です。

面接はカレッジごとに行われ、複数のカレッジで面接に臨みます。2つのカレッジが多そうですが、3つのカレッジで面接した人の話も耳にしたことがあります。専攻によっても人によっても異なる可能性があります。

私が息子から聞いた面接時の話で、とても印象に残った今も忘れられないエピソードがあります。

面接に来ていた人の中に両親が共に大学教授で、高校生でありながら、スイスのCERN(欧州原子核研究機構)で既に研究をしていた受験生がいました。研究歴も申し分なく優秀です。他の受験生は皆質問が2問だったところ、その受験生は3問質問が出されたそうです。結果は残念ながら不合格でした。

おそらく2問は彼にとって簡単な問題だったのでしょう。そこで教授は追加でもう1問難しい問題を出したのだと思います。オックスフォード大学では答えのない問題にどう挑むか、そのアプローチの仕方が見られます。教授がヒントを出すこともあるようです。

このエピソードから考えられるのは、いわゆる先取り学習はオックスフォード大学の面接にはあまり有効ではない可能性がある、ということです。確かに先取り学習をすれば知っている知識は多いかもしれません。標準より多くの問題が解けると思います。しかしながら、面接では解けそうにない問題にどう対処するかが見られるわけです。面接官は大学教授ですので、先取りを数年したところで、大学教授の経験や知識を凌駕するのはほぼ不可能です。解けそうな問題より解けないだろうと思われる難題が出されるのです。

もちろん学問に興味があり、どんどん自ら進んで学習、研究するのは真似しようと思ってできることではなく、そのこと自体が本人の才能なので素晴らしいことなのですが、大学受験のために先取り学習をするのは、その後の伸びしろを考えると疑問視せざるを得ません。今はMOOCs(大規模公開オンライン講座)等で先取り学習もしやすい環境です。自分の興味、関心のあることを大切にしながら過ごし、多様な体験ができるかけがえのない高校時代を受験対策に特化して過ごすことのないよう願うものです。

オックスフォード大学のある教授が話していた印象に残ったお話をもう一つ…。「大学入学時には勉強熱心で成績の良い中国人を卒業時には入学時には成績がそれほど振るわなかったイギリス人が追い越す」。その教授の接した学生の範囲内での観測ではありますが、いろいろと考えさせられます。

オックスフォード大学が大学入学後も伸びていく学生を選考しようと時間と手間をかけて面接を行なっていることは確かです。

色々なバックグラウンドの学生が大学に入学してきます。大学1年生はお試し期間であり、大学1年修了時の試験に2回までトライできますが、2回で合格できないと大学を退学しなければいけません。また、大学1年時の成績は卒業時の成績にカウントされません。大学時代の成績が大学院進学の時に必要ですし、英国では就職活動の際にも大いに関係してきます。

こうしたことを考慮すると、受験生自身が自分に合った大学選択をすることが本当に大切だと思います。

筆記試験面接についての具体的な内容は大学のウェブサイトをご覧いただくのがベストです。

最後にオックスフォード大学の面接にあたってアドバイスを少々…🍀

・オックスフォード大学の面接では、リラックスして臨みましょう。
・考えたことのない問題が出るのは当たり前だと思って、動揺せずに対処しましょう。
・大学のチュートリアルだと想定して、わからなかったら質問しましょう。
・人事を尽くし、天命を待ちましょう。
・オファーが出たら、ご縁があったことを喜びましょう。
・オファーがもらえなかったら、今の自分にはもっと適した大学があるはずだと信じましょう。

ギャップイヤーを取って、再度オックスフォード大学を受験することはおすすめしません。
オックスフォード大学も学部の再受験はすすめていません。3年後、4年後にもオックスフォード大学で学びたいという強い想いがあるなら、大学院進学時にぜひチャレンジしてみてください。