( https://www.ox.ac.uk/admissions/undergraduate/applying-to-oxford/tests?wssl=1)
国際バカロレアを取得すると海外名門大学に進学の道が拓けるとのメディア等の報道もあり、海外留学を志す人の中には国際バカロレア認定校を検討されている方も多いかもしれません。国際バカロレアのディプロマが万能の切り札というわけではなく、志望大学に合格できるかどうかはスコアが重要ということも徐々に知られてきたようです。
つい先頃もオンライン記事「東大よりオックスフォード 挑む都立国際19人の新鋭 都立国際高校の荻野勉校長に聞く 」に、都立国際高校の国際バカロレアのクラスからシンガポール国立大学やオックスフォード大学を受験する生徒がいるとの記述を目にしました。
とあるように、一般的に国際バカロレアの授業内容は高校レベルを超えると認識されています。そのため、アメリカやカナダの大学ではAPと同じく大学の単位に認められるケースもあります。(ちなみにオックスフォード大学では国際バカロレアで取得した科目を大学の単位として認めていません。)
私自身もそのように認識していたにもかかわらず、オックスフォード大学の教員から「IBではAレベルのカリキュラムと比べてカバーできていない分野があるので、IBの履修者は補講が必要」と言われたという話を息子から聞いた時には意外で本当に驚きました。理系の場合、分野にもよりますが、国際バカロレアの方がレベルが高いと一概には言えないようです。
シンガポール出身の友人曰く、「イギリスのAレベルよりも更に難易度が高いと言われているのがケンブリッジのAレベル」だそうです。ケンブリッジAレベルはケンブリッジ大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)が共同で開発したカリキュラムで、シンガポールや中国の高校の中にはケンブリッジAレベルを採用している学校が多数あると聞きます。
Cambridge International AS & A Levels は UCAS、イギリスの諸大学、海外の諸機関によって、イギリスの生徒が受ける AS & A Levels と同等の基準およびグレードであることが認められています。生徒たちは、イギリス、アイルランド、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、インド、シンガポール、エジプト、ヨルダン、南アフリカ、オランダ、ドイツ、スペインを含む世界の一流大学に合格するために、Cambridge International AS & A Levels を使っています。
アメリカやカナダでは、慎重に選んだ Cambridge InternationalA Level 科目の中から優良成績取得者に、大学コースの1年間のクレジット(単位)として認定する場合もあります。
出典:「Cambridge International AS & A Level大学へのガイド」
(http://www.cambridgeinternational.org/images/319667-cambridge-international-as-a-level-factsheet.pdf)
※
Cambridge International AS & A Levels
(http://www.cambridgeinternational.org/programmes-and-qualifications/cambridge-advanced/cambridge-international-as-and-a-levels/)
Cambridge International AS & A Levelsはスタンフォード大学やMIT、Ivy Leagueのすべての大学を含む450を超えるアメリカの大学で認められています。
専門性を重視するイギリスの大学に進学するためには、Aレベルは別として、トップ大学の理系であれば国際バカロレアよりもむしろケンブリッジ インターナショナル Aレベルの方が適している可能性がありますが、日本ではまだCambridge International AS & A Levelsの認知度は低く、採用している学校は現時点では恐らくほとんどないでしょう。
一方、ここ数年で認知度が一気に高まってきた国際バカロレアですが、オックスフォード大学も受験資格として認めています。いったいどれくらいのスコアを取得すれば合格基準を満たすのか募集要項で確認してみましょう。
オックスフォード大学のホームページ、あるいはプロスペクタスでコース別に調べることになりますが、一部ピックアップして表にしてみました。(2018年入学用)
国際バカロレアだけでなく、Aレベルの要件その他の試験についても記載されています。
Course(専攻) | IB | A-level | 試験科目 |
Biochemistry (Molecular and Cellular) | 39 | A*AA | |
Biological Sciences | 39 | A*AA | |
Biomedical Sciences | 39 | A*AA | BMAT |
Chemistry | 40 | A*A*A | TSA S1 |
Computer Science | 39 | A*AA | MAT |
Economics and Management | 39 | A*AA | TSA |
Engineering Science | 40 | A*A*A | PAT |
English Language and Literature | 38 | AAA | ELAT |
Law (Jurisprudence) | 38 | AAA | LNAT |
Mathematics | 39 | A*A*A | MAT |
Medicine | 39 | A*AA | BMAT |
Philosophy, Politics and Economics (PPE) | 39 | AAA | TSA |
Physics | 39 | A*AA | PAT |
Psychology (Experimental) | 39 | A*AA | TSA |
※適性試験等の略称
Biomedical Admissions Test (BMAT)
Thinking Skills Assessment (TSA)
Mathematics Admissions Test (MAT)
Physics Aptitude Test (PAT)
English Literature Admissions Test (ELAT)
Law National Admissions Test (LNAT)
全コースの一覧及び詳細はこちら(https://www.ox.ac.uk/admissions/undergraduate/courses-listing?wssl=1)からご覧いただけます。
志望コースを選択し、REQUIREMENTSのところをクリックしてください。Aレベルの要件やその他の試験、推奨科目等についても詳しく書かれています。
必要とされる成績はコースによって異なり、年によっても変わる可能性がありますので、必ず最新の情報をウェブサイト上でチェックするようにしてください。
スコアの要件はあくまで最低ラインであって、スコアを満たしさえすれば即オファーが出るというわけではないことも心に留めておく必要があります。専攻によっても異なる点がありますが、学業成績やパーソナルステイトメント(志望動機書)・推薦状・適性試験等をもとに面接対象者が絞られ、面接試験を経て条件付きオファーあるいは無条件合格が決定されることになります。多くの専攻で選考の過程で入学試験が課されるのは、受験生の教育的バックグラウンドに関わらず、同じ基準で成績を比較できるためです。
(https://www.ox.ac.uk/admissions/undergraduate/international-students/international-qualifications?wssl=1)
国際バカロレアやAレベルだけでなく、アメリカの試験であるSATやSAT Subjectのスコアを使ってオックスフォード大学を受験することもできます。アメリカの大学の中にはスーパースコアを認めている大学がかなりありますが、オックスフォード大学では受験した科目の全スコアを提出する必要があり、その成績の推移でアカデミックなポテンシャルがあるかどうかの判断材料とされることにもご注意いただければと思います。
オックスフォード大学の受験については、過去ログ「オックスフォード大学が求める学生とは?」もよろしければご参考に♪