オックスフォード大学に合格するために必要な英語力 & IELTS試験対策

オックスフォード大学に合格するために必要な英語力はどれくらいでしょうか。

詳細については以下のオックスフォード大学のウェブサイトからご覧いただけます。

【English language requirements】

〈学部〉
(https://www.ox.ac.uk/admissions/undergraduate/international-students/english-language-requirements?wssl=1)

〈大学院〉
(https://www.ox.ac.uk/admissions/graduate/applying-to-oxford/application-guide?wssl=1#content-tab–3)

〈学部の英語力の基準 一部引用〉

  • IELTS: overall score of 7.0 (with at least 7.0 in each of the four components)
  • TOEFL (paper-based): overall score of 600 with a Test of Written English score of 5.5

  • TOEFL (internet-based): overall score of 110 with component scores of at least: Listening 22, Reading 24, Speaking 25, and Writing 24.

学部では2018年入学希望者のための募集要項によりますと、IELTS7.0(全セクション7.0)以上となっていますが、大学院の場合、2017-2018 エントリーの要項では7.0(全セクション6.5)以上で要件を満たすコースもあります。

〈大学院の英語力の基準 一部引用〉

The University applies either a standard or a higher level of required ability in English depending on the course. The level you will need is shown on each course page.

大学院ではコースによって合格するためにクリアしなければならない英語力の要件が異なります。コースによってstandard(標準)レベルとhigher(上級)レベルに分かれています。

standard level    IELTS   7.0(全セクション6.5)以上      TOEFL   100(L 22 R 24 S 25 W 24)以上

higher level        IELTS   7.5(全セクション7.0)以上      TOEFL   110(L 22 R 24 S 25 W 24)以上

以前は大学・大学院ともに
IELTS:  7.5以上(セクション別で7.0以上)
TOEFL:110(セクション別でReading 24, Listening 22, Speaking 25, Writing 24以上)でしたので、英語力の基準に変更があったようです。

このように、入学するために必要な資格は毎年見直されますので、受験される際には必ず大学のウェブサイト上で最新情報をご自身で確認されるようにしてください。(cf. 『オックスブリッジの流儀』オックスブリッジの入試を突破するための「英語力」の身につけ方 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41910

学部の場合の補足ですが、英語が教授言語である全日制(フルタイム)の高校で出願締切日(10月15日)から遡って直近2年以上教育を受け、母国で引き続き学事歴の終了まで教授言語が英語である全日制の教育を受けるのであれば、英語力の試験の免除が考慮されます。また、最近日本でも徐々に浸透しつつある国際バカロレア認定校(IBスクール)で英語が教授言語である高校を卒業された場合、IELTSやTOEFLなど英語力を証明する資格の免除が考慮されます。

ご覧いただきましたように、スコアは総合でIELTSとかTOEFLのスコアの基準を満たせばよいのではなく、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングのそれぞれのセクションで基準をクリアする必要があります。

人によって得意不得意の分野は異なると思いますが、一般的に一番難しいと思われるのがライティングのセクションではないでしょうか。

インターナショナルスクールや海外の高校は違うかもしれませんが、日本の普通高校で英作文と言えば、英作文用の例文を暗記して再現するのがごく一般的で、宿題でエッセイを書かされることもなければ、間違った英文を添削してもらえるような経験はほとんどないに等しいでしょうから、ライティングの基準をクリアするのが最大の難関でしょうね。ライティングについては、やはりネイティブチェックを受けられることをお勧めしますが、それ以外のセクションは独学でもかなりクリアできるような気がしています。

ここからはIELTSの試験対策を中心に気づいた点などを中心にまとめてみます。書店で目にしたところでは、IELTS試験対策のテキストも以前に比べてかなり増えてきているようですね。

IELTSの試験対策に特化したテキストで一番のおすすめは何と言っても過去問でしょう。これだけは外せません。

        

また、ブリティッシュ・カウンシルからも「IELTSブリティッシュ・カウンシル公認問題集」という参考書が出ています。

IELTSってどんな試験?と思われた方にまず手始めにさらっと読んでみる本としては「IELTS 一発で合格スコアをとる勉強法」は読み易いです。試験対策のためというよりはタイトルどおりIELTSの勉強法の本です。

独学でIELTSを攻略したい方には「新セルフスタディ IELTS 完全攻略」もおすすめです。


IELTSではグラフを読み取って記述する内容があるので、何度かそうした問題にあたっておくのは試験対策として有効でしょう。IELTS用の英単語集としていくつかの出版社から出ていますが、こちらはほとんど利用したことがなく、英検1級をクリアしていれば、それほど問題がないように思えました。語彙力の難易度はIELTSよりも旧SAT対策の単語集の方がずっと上だと思います。

 IELTSの試験では単語そのものよりもアカデミックな内容を十分理解できるかどうかに比重が置かれていると感じます。対策としては過去問を何年分か解いて、解答のサンプル例を参考にノートにまとめて、時々音読してみるのもいいでしょう。

時間的にも経済的にも余裕があればブリティッシュ・カウンシルや民間の英語教育機関でIELTS対策講座を受講されるのもかなり効果的だと思いますが、お時間がないとか遠方で通えない方などは、オンライン講座を受講するという方法もあります。

オンラインで高等教育を開講しているMoocsのFuture Learnでケンブリッジ英検機構(Cambridge English Language Assessment)が主催するIELTSの講座が開講されたこともあります。上手に活用して英語学習のための費用を節約し、留学費用に充てるのも一案です。

ブリティッシュ・カウンシルからもIELTS対策の無料オンライントレーニングが提供されています。また、IELTSで高得点を獲得したい方向けには元IELTS試験官の方が運営されているウェブサイトhttp://ielts-simon.com)も大変充実していて、役立つ記事が満載です。

日本の企業の多くはTOEICのスコアを英語力の指標として重要視し、就職の採用判断基準として使っているようですが、TOEICのスコアは留学生活で学問を全うできるかどうかの参考程度にはなるかもしれませんが、指標にはなり得ません。海外の高校や大学への留学を考えている人は、迷わずIELTSかTOEFLでスコアを取ることを目標にされることをお勧めします。

英国やオーストラリア、ニュージーランド、シンガポールなどイギリス連邦とつながりの深い英語圏に留学を考えている方はIELTS、アメリカに留学を考えている方はTOEFLでスコアを取ることを目標にされるのが一般的でしょう。アメリカの大学もIELTSを認めている大学が増えているので、特定の大学を目標にしているのであれば、その大学のウェブサイトで確認されてください。

カナダはアメリカに近いのでTOEFLも多くの教育機関で認められていますし、イギリス連邦に属しているので、IELTSも幅広く活用されているようです。詳細については個々の教育機関ごとに募集要項で確認する必要があります。

オックスフォード大学は2018年入学予定者に対して、引き続きTOEFLも英語力の証明として認めています。学生ビザ(Tier 4)の申請の際には英国政府が認める機関(Highly Trusted Sponsors)の一つであるオックスフォード大学が学生ビザのスポンサーになることで、ビザの認可が下りるといった形をとっています。
〈参照〉Tier 4 register of sponsors(2017.7.24現在)

IELTSもTOEFLもどちらも受験料自体がかなり高いので、アメリカ以外の国に留学を希望される方は、より汎用性の高いIELTSを受験されることをお勧めします。

IELTSとTOEFLの試験の一番大きな違いは、IELTSは紙をベースとして人間がライティング、スピーキングをチェックするのに対して、TOEFLの場合はコンピュータに向かって答えを入力するというものです。スピーキングもコンピューターに向かってマイクを通じて話すので慣れが必要です。

せめて英検くらいの受験料に落ち着いてくれれば、TOEFLやIELTSも受験しやすいのではないかと思うのですけれど…。

IELTSやTOEFLはあくまで留学生が英語で教授言語である高校や大学の授業について行けるレベルに達しているかどうかを判断するための基準であって、実際には現地ではネイティブレベルの授業が展開されているわけですから、より高い英語力を身につけて留学するに越したことはありません。留学先では英語力が相当あっても、慣れない土地で友達もいない中、留学生活に慣れるには相当苦労します。そんな中で頼りになるのは自分を伝える力です。できるだけ語学力・コミュニケーション能力を高めて、現地で幸先の良いスタートを切れるように、英語力をブラッシュアップしていきたいものですね。