Sir Tim Berners-Lee(ティム・バーナーズ=リー卿)は、オックスフォード大学を卒業後、1989年に欧州原子核研究機構(CERN)在籍中にWorld Wide Webを発明された方です。現在MIT の教授であり、World Wide Web Consortium(W3C)のディレクターを務められていますが、この度オックスフォード大学のコンピューターサイエンス専攻のProfessorial Research Fellowとして招聘され、研究に従事されることになったようです。
オックスフォード大学にはチュートリアルという授業形態があり、教員から直接少人数で指導を受ける機会があります。各カレッジによって開講される専攻が異なるので、自分の学びたい専攻があるカレッジに所属することになります。
クライストチャーチカレッジでは今までコンピューターサイエンスの専攻がなかったのですが、2017年の新入生より新設されることとなりました。ティム・バーナーズ=リー氏はクライストチャーチカレッジに所属されることが決まっています。MITの教授も兼任されるそうです。コンピューターサイエンスを専攻しない学生にとっては、あまり関係がないかもしれないのですが、大変興味をそそられるニュースです。ちなみに、クライストチャーチでは毎年最低3名のコンピューターサイエンス専攻の学部生枠を確保する予定のようです。
ティム・バーナーズ=リー氏は世界の国々や組織から数々の賞や称号を受けており、2004 年には英国女王エリザベス 2 世から大英帝国勲章のナイト・コマンダーの称号を授与され、2013 年にはエリザベス女王工学賞、2016年にはチューリング賞を受賞されています。
チューリング賞(A.M. Turing Award)はコンピューター学界のノーベル賞とも呼ばれる賞で、コンピューターの礎を築いたアラン・チューリング(Alan Mathison Turing (1912–1954))の名を冠しています。
The A.M. Turing Award, sometimes referred to as the “Nobel Prize” of Computing, was named in honor of Alan Mathison Turing (1912–1954), a British mathematician and computer scientist. He made fundamental advances in computer architecture, algorithms, formalization of computing, and artificial intelligence. Turing was also instrumental in British code-breaking work during World War II. (http://amturing.acm.org/より)
また、2017年3月には慶應義塾大学からも慶應義塾大学名誉博士の称号を授与されています。
アラン・チューリングについては、「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」の記事もよろしければご参照ください。
ティム・バーナーズ=リー氏が学部生を直接指導される機会があるのか現時点ではわかりかねますが、カレッジ内やコンピューターサイエンス学部構内・オックスフォード界隈で教授と遭遇するチャンスがあるかもしれませんね。
コンピューターサイエンスを専攻志望の方にとって、耳寄りな情報になるかもしれないと思い、取り上げてみました。
少しでもご参考になれば幸いです。
〈参考〉
- ウィキペディア
- http://www.chch.ox.ac.uk/news/research-and-academia/sir-tim-berners-lee-receives-acm-turing-award
- http://www.ox.ac.uk/news/2016-10-27-sir-tim-berners-lee-joins-oxfords-department-computer-science