米国名門ボーディングスクール チョートローズマリーホール への留学を支援する村田日米奨学金

先日、元麻布にある西町インターナショナルスクールを訪ねました。西町インターナショナルスクールは30年ほど前に一度訪れたことがあります。

 〈写真〉懐かしの西町インターナショナルスクールの正門

当時日本のインターナショナルスクールの中で日本語の授業をいち早く取り入れバイリンガル教育を行っていたのが西町インターナショナルスクールでしたので、その教育内容に大変興味がありました。卒業生にMITメディアラボ所長の伊藤譲一氏がいらっしゃるなど、バイリンガルで世界で活躍する人材を輩出している学校です。大学の卒業論文のテーマが「早期外国語教育」だったのですが、卒業論文の参考とするために当時の校長先生に取材を申し入れ、校長室でお話を伺ったことが遠い昔の日の思い出です。

今回、西町インターナショナルスクールでJABSA(Japan-America Boarding Association)主催の第一回アメリカボーディングスクールフェアが開催されるというので、アメリカの名門ボーディングスクールについて情報収集するとともに、この機会に思い出の地を再訪してみたい衝動に駆られ、出かけてきました。アメリカのボーディングスクールについて雑誌や本、インターネット上で見聞きすることはありますが、生の声を聴ける機会はほとんどありません。名門校の学生が一同に会するこのチャンスに、ぜひともお話を伺いたいと思ったのです。

10スクール(The 10 Schools)と呼ばれる米国の名門ボーディングスクールの中でもチョートローズマリーホール(CHOTE ROSEMARY HALL)のことは、「レイコ@チョート校―アメリカ東部名門プレップスクールの16歳 (集英社新書)」という本を読んだことがあるので、私にとってはなんとなくイメージが湧く学校だったのですが、ブースで卒業生の方の体験談をお聞きして、温かみのある家庭的な雰囲気の中で質の高い教育が行われていることがうかがえました。

また、説明会会場で、チョートローズマリーホールに留学するための奨学金制度を私財を投じて創設された村田貴士氏のお話を直接お聞きすることができたことは、予想していなかっただけに望外の喜びでした。

卒業生である村田貴士氏が創立されたThe Murata US-Japan Scholars Program。CHOTE ROSEMARY HALLのホームページ上に掲載されています。

通年の留学だけでなくサマープログラムにも奨学金を出していて、今までに35名が村田日米奨学金の支援を受けて参加されたそうです。

村田氏は世界で日本人の存在感が薄れていることに危機感を覚え、日本の高校から東大を目指すだけではなく、海外大学進学の流れをつくれればという自らの思いを語ってくださいました。インターナショナルスクールでは、経済的にも裕福な家庭が多いので、海外の高校や大学に進学する人が多いけれど、日本の高校生の優秀な層が海外の学校に進学するようになれば、日本人の優秀さ、存在感を世界にも示すことができ、グローバルな人材も育成されるという好循環が生まれるのではという期待感や願望が感じられました。

村田氏が高校時代をチョートローズマリーホールで過ごしてみて一番良かったこととして、「自信がついたこと」をあげていらしゃったのが印象的でした。学校生活で築いた人脈も含め、グローバルな世界で対等に渡り合えるという自信は、その後の人生において大きな財産となるに違いありません。

村田日米奨学金は海外経験のほとんどない日本人を支援するための奨学金制度で、インターナショナルスクールではなく日本の学校教育を受けてきた生徒を対象としています。経済的な基準による選考ではなく、完全なメリットベース(Merit-based)で学業成績が優秀な生徒に与えるものです。今年は開成高校と成蹊高校の2名の高校生が留学予定だそうです。

世界トップレベルの教育を米国のボーディングスクール チョートローズマリーホールで受けてみたいと思われる方はぜひチャレンジしてみてください。

詳細は下記ウェブサイトをご覧ください。こちらが公式の窓口とのことです。

https://www.choate.edu/admission/tuition-and-financial-aid/murata-us-japan-scholars-program

〈参考〉

CHOATE SUMMER PROGRAMS
http://www.choate.edu/summer